与太郎戦記 (ちくま文庫)

与太郎戦記 (ちくま文庫)
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発売元: 筑摩書房
著者: 春風亭 柳昇

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種類: 文庫
EAN: 9784480420695
ISBN: 448042069X
レーベル: 筑摩書房
製造: 筑摩書房
ページ数: 328
出版日: 2005-02-09
販売: 筑摩書房
製作: 筑摩書房

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概要: えらく運の良い一兵卒の話
コメント: 士官ではない、叩きあげの兵隊さんの視点からの戦争体験記で、もちろん運だけではなく、
努力と人徳で生き延びてきた話を面白おかしく書いてあります。
第二次世界大戦の記録にありがちな、反戦や反日や反米や悲惨さをめったやたらに表現するような事はなく
戦場の現実を淡々と記述してあり、変なイデオロギーが表現されてないがため戦争や人間性についてかえって考えさせられました。
ただ、残念な事に解説はこの雰囲気を壊しています。なるべく読まないほうが後味が良いでしょう。
先に解説を読んでしまったのなら、いちど頭をリセットしてから本編を読む事をお進めします。

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概要: めったやたらに興味深いです
コメント: 戦後に書かれたものですが、普通の農家の青年が招集で陸軍に行き、中国を転戦するうちに自分を形成、戦後に帰国、落語家になるまでの、いわば成長記(ビルドゥングス・ロマン)なのです。
戦後に書かれた戦争物にある、何とも言えない、日本の軍隊内の理不尽さも陰湿さも、ここには書かれてはいない。他の体験記には書かれているので、無かった分けではないでしょうが、そこがこの筆者の性格なのでしょう。
ですから、陸軍生活を筆者がどう考え耐えて切り抜けたかが、この書籍の主眼、といって良かろうと思います。これは異色ではあるけれど、ものの捉え方を考える点からは出色のもの。私にはとても参考になりました。

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概要: 名著
コメント: 日本陸軍を語るうえで絶対外せない本。「名著」の呼び名は伊達ではありません。さすがに「師匠」と呼ばれ勲章(文化勲章です念のために)まで貰った方の本です。なお解説の鶴見俊輔氏の文章が悪評ぷんぷんですが師匠の名文を引き立てるためだと考えれば、これはこれで良しとすべきでしょう。たった4ページですから投げ出さずにしっかりと読んで下さい。言葉のプロとしての実力差が露骨である意味非常に面白いです。

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概要: 柳昇落語の凄み
コメント: 与太郎と自称されていますが、中々どうして二等兵からたたき上げで伍長まで昇進するというのは頭も良さ、人柄の良さ、統率力、勇気などが優れていなければできることではなかったと戦中派の人たちから聞いています。なにせ上等兵という位が二等兵から見たら雲の上の人なんですからその上の伍長となるとエライもんです。そしてまた自称与太郎伍長は戦場でも勇敢に誠実に戦います。死線をかいくぐった末のあの師匠のとぼけた味わいの芸風だったのかと想えば、なにかしら凄みすら感じます。大変に興味深い、そして味わい深い一冊です。

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概要: 読み終わるのが惜しかった
コメント: ~「すぐれて個人的な体験談は、実はとても普遍的な面白さを持つ」というのが最近の私の持論です。本書は一人の青年が兵隊に行って帰ってくるまでの個人的なお話ですが、戦争など知らない私たちにもとっても面白く読めます。

私はミリタリマニアでもありますので、そっち方面の記述も楽しんで読ませてもらいました。著者は機関銃小隊を兵長(後に伍長)とし~~て指揮し、陸で海で戦います。7.7ミリ小銃弾を使う機関銃で大物を仕留めた、うわっすげえ、信じられん、マジかいという驚きや、撃ち続けて銃身が白く焼ける話、最前線で搬送・組み立て・分解また搬送といった、通常マニアの視点からは見えない苦労が記されてて興味深いです。
著者は与太郎を気取っているので変な気負いがない(光人社の戦記文庫とはひと味違~~う)のですが、それでも戦闘シーンは血湧き肉躍るものがあります。「班長さん」と慕われるシーンでは小津安二郎の「お茶漬けの味」を思い出しました。ああ、戦場の連帯感ってこういうもんなんだって。

私は映画「シン・レッド・ライン」が大好きなのですが、戦線の反対側にはこうした与太郎たち(私たちの父や祖父)がいて、泣いたり笑ったりしながら戦っ~~てたんだなあ、としみじみ思いました。読み終わるのが惜しくて、ゆっくり読みました。秋本伍長どの、お疲れ様であります。ありがとうございました!~


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